「変形労働時間制」とは?徹底解説!

労務

最近では導入している企業も多く、よく耳にするフレックス。
フレックスタイム制は「変形労働時間制」の一種であることをご存知でしょうか。

今回はフレックスタイム制を含め、変形労働時間制の種類や導入率、メリットデメリットなどをご紹介します。

変形労働時間制の種類

今回は以下の3種類をご紹介します。

  1. ①1ヶ月単位の変形労働時間制
  2. ②1年単位の変形労働時間制
  3. ③フレックスタイム制

それぞれを詳しく見ていきましょう。

①1ヶ月単位の変形労働時間制
1か月以内の期間を平均して「1週間当たりの労働時間が40時間以内」となるように設定することで
1日あたりの労働時間が8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えても可能になる制度です。

例えば、忙しい月末の4週目を1日10時間労働、それ以外の1〜3週目を1日7時間労働とします。


1〜3週目は1週間あたり35時間、4週目は50時間となります。
この1ヶ月の「1週間当たりの労働時間が40時間以内」となるので、1日8時間や週40時間以上の労働も可能になります。

②1年単位の変形労働時間制
1年以内の期間を平均して「1週間当たりの労働時間が40時間以内」となるように設定することで
1日あたりの労働時間が8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えても可能になる制度です。

繁忙期の月に労働時間を増やし、閑散期の月に労働時間を減らすことができます。
1年間の総労働時間を平均し週40時以内(2085時間以内)にする必要があり
1日10時間、1週52時間、6連勤までの制限があります。

③フレックスタイム制
あらかじめ決まった総労働時間の範囲の中で、始業・終業時刻を労働者⾃ら決めることのできる制度です。
いつ出社・退社しても良い時間帯を「フレキシブルタイム」、必ず出社しなければならない時間帯を「コアタイム」として設定、もしくはコアタイムを設定せず働く日も労働者⾃ら決めることができるようにすることも可能です。

例えばフレキシブルタイムを7:00-21:00、コアタイムを11:00-15:00としている場合
11:00-15:00の間に出社していれば、7:00-21:00の間で自由に始業・終業を労働者自身で決めることができます。

さらに柔軟な働き方ができる、コアタイムを設定しないフレックスタイム制は「スーパーフレックスタイム制(フルフレックス)」とも呼ばれています。

変形労働時間制は他にも、小売業、旅館、料理店および飲食店の30人未満の事業所に限定した
1週間単位の変形労働時間制などもあります。

変形労働時間制の種類をご紹介しましたが、実際にどれくらいの企業に導入されているのでしょうか。

変形労働時間制の導入率

厚生労働省の「就労条件総合調査」(令和二年)から変形労働の導入率を見ていきましょう。

変形労働時間制を導入している企業は 59.6%
変形労働時間制を導入していない企業は 40.4%

となっています。

半数以上の企業で変形労働時間制が導入されていることがわかります。
中でも導入されている企業の内訳をみると

1000人以上の企業 77.9%
300~999人の企業 72.5%
100~299人の企業 64.4%
30~99人の企業 56.2%

となっています。

大企業であるほど導入率が高くなっています。
しかし、今や中小企業でも半数以上が変形労働時間制を導入しています。

実際変形労働時間制を導入すると、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

変形労働時間制のメリットデメリット

メリット


経営者側からみると、繁忙期や閑散期がある企業であれば
残業時間を短縮することができるため、残業代を抑えることが可能です。

労働者側からみると、閑散期は早く退社することが可能です。
繁忙期に働いて、閑散期は早く帰れるため、メリハリをつけて働くことができます。

デメリット


経営者側からみると「労使協定の締結」や「就業規則の整備」に手間がかかります。
1ヶ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制を導入の場合は
労使協定の締結が必要なため、導入までの手続きが必要になります。
※1ヶ月単位の変形労働時間制は就業規則に規定していれば不要。

また、フレックスタイム制も清算期間を3ヶ月にする場合は労使協定の提出が義務となります。

労働者側からみると、繁忙期の残業代は減少します。
閑散期はその分早く帰れますが、繁忙期に1日10時間働いても残業代がないということにもなるわけです。

また、変形労働時間制は運用が難しく誤用や悪用の可能性があるので
経営者側はもちろん、労働者も仕組みを理解しておく必要があります。

悪用としてよく耳にするのが、変形労働時間制を理由に「残業代を支払わない」です。

変形労働時間制は、ある期間を単位として平均労働時間が基準を超えていなければ残業代は不要という制度でもあるので
1日8時間を超えた勤務でも残業代を支払わなくて良いことになります。

この制度を逆手に取り本来、残業代が出る状況でも支払わない企業もあります。
では、変形労働の場合残業はどのように扱われるのかを見ていきましょう。

変形労働時間制の種類それぞれの残業時間の扱い

①1ヶ月単位の変形労働時間制
A・1日単位
所定労働時間が8時間を超える日は、所定労働時間を超えた分が残業時間
それ以外の場合、8時間を超えた分が残業時間

B・1週間単位
所定労働時間が40時間を超える週は、所定労働時間を超えた分が残業時間
それ以外の場合、40時間を超えた時間が残業時間
※Aの残業時間は除く

C・1か月単位
あらかじめ決められた所定労働時間を超えた分が残業時間
※AとBの残業時間は除く

②1年単位の変形労働時間制
①1ヶ月単位の変形労働時間制のAとBは同様となります。
Cについても期間が月単位ではなく、年単位に変わります。

③フレックスタイム制
フレックスタイム制では、清算期間が設けられており
この期間内での「実労働時間」-「所定労働時間」=「残業時間」となります。

まとめ

変形労働時間制のご紹介、いかがでしたでしょうか。
勤怠管理システムattenly(アテンリー)では時間労働制に対応した
勤怠管理機能も近日実装予定ですので、変形労働時間制の導入を考えている企業様にも対応可能です。

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